2006.02.26

銀のいす / C.S. ルイス

いよいよ来週から『ナルニア国物語』が公開に。昨日は先行公開だったようですが、どれくらいの入りだったのでしょうか。映画館では思ったほど予告編が流れておらず、またメディアの露出度も『ロード・オブ・ザ・リング』と比べると少ないような気もしないでもないです。うーん、『ロード……』ほどの興業収入は無理っぽいか知らん。

銀のいす ナルニア国ものがたり (4)ということで、シリーズ4作目の『銀のいす』読了。今回は前作で初登場したユースチスと、今回初登場のジルがナルニア国に行く事になります。当然、こちらの世界ではそれほど時間は経っていないものの、ナルニアでは結構な時間が過ぎており、カスピアン王子はもうすっかり年老いています。そんな王子の最後の望みは、行方知らずになった息子を探すこと。ということで(かなり端折っていますが)、息子を探す旅に出る二人。今回の相棒は、泥足にがえもん。さて、どんな旅になりますやら……

前作では、現実で頭ががちがちになっているユースチスが批判的に描かれていましたが、今回はジルがちょっと痛い役どころで。ナルニアに行きたくてユースチスと一緒に来たわけなので、ナルニアを否定しているわけではないのですが、旅の道中の行動がちょっとねぇ。ユースチスの方がまともに見えることも多々ありました。

相棒の泥足にがえもんがいい味出してくれます。何事にも悲観的なマイナス指向なのですが、行動はそうではなく、最悪なことを想定して口に出しつつも、行動は積極的。失敗したら……と考えてなにもしないのではなくて、常に行動を伴うマイナス指向な人、という感じかしらん。物語のクライマックスでもおいしいところを持っていってくれます。これ、シリーズの中でも結構お気に入りのキャラになりました。

ラストにいつもことながら現実の世界に返ってくるのですが、うーん、戻ってきた後の展開が……こうきたか~という感じでした。自然な展開ではありましたが。単純に比較はできないものの、映画版『ネバー・エンディング・ストーリー』を思い出してしまいました。映画版のラストに原作者のミヒャエル・エンデは大激怒したらしいのですが、『銀のいす』を読んだエンデの感想を聞いてみたかったなぁ。読んでいたかなぁ。

映画にはしやすいなぁというのが読了後の感想。クライマックスに向かう途中でいろんな出来ことがおきるという映画の脚本向けの作品ですな。クライマックスも映画にしたら結構すごいシーンになりそうだし。映画向けのキャラクターも多かったし。ということで、この作品まで映画化してほしいなぁ。

しかし、「泥足にがえもん」という翻訳。それに彼のしゃべりの翻訳。どれをとってもすごすぎです、瀬田さん。これほどキャラクターがいきいきしている翻訳はそうないなぁ。英語ではどんな風に表現されているのかすごく気になります。


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2006.01.22

朝びらき丸東の海へ / C.S. ルイス

『ナルニア国物語』の公開が近づいてくるにつれて、試写会の話も聞こえてくるようになって来ました。ベネッセ主催で武道館・大阪フェスティバルホールで行われるそうで。うーむ、ベネッセ主催ですか~確かに児童書がベースになっているのでこれはありかなと。でも、武道館で試写会って、席によってものすごーく見づらそうなんですが……それとも、募集人数が少ないので、全席アリーナ状態で見やすいのか知らん。

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3)ようやくシリーズ3作目の『朝びらき丸東の海へ』を読了。今回は、ペペンシー兄弟姉妹のうち、次男と次女のエドマンドとルーシーがナルニアに行くことになります。もう一人、いとこのユースチスも一緒に。行った先は、カスピアン王子が公開中の船。彼の叔父である前の王が、7名の人間を追放目的で航海に行かせたのですが(この辺は前作であまりにさりげなく触れられているので、そんな記述あったけなぁ、と思う人が多かったのでは、と密かに思っていたりします)その行方を追う航海に出ていたところに乗り込んだわけでです。その後、彼ら3人は一緒に航海に行くことになり……ってな感じで話は始まります。

あるクライマックスに向けて話が盛り上がっていく前2作とは違って、航海中にいろんなことがありました的な、どちらかというとエピソードをつないで話が続いていく感がありました。これは映画にするのはちょっと大変かも……ラストも淡々と終わる感じがしたしなぁ。でも、映像化されたらぜひ見てみたいシーンなどもあり、やっぱり映画化されたら見に行くことになりそうです。片足のエピソードがとっても気になります。

ユースチスが当初かなり批判的にナルニアでの経験を受け止めます。彼の両親が、当時としては進歩的な人として描かれており(直接登場はしませんが)、その子供ということでユースチスはかなり現実的な子供として育てられたという設定。現実的、というか、空想力0、といったほうがいいかも。とにかく絵空事ははなから馬鹿にするタイプ。なので、ナルニアにつれてこられても見ること聞くことすべて受け入れがたいことばかり。前半の彼にはいらいらさせられます。そんな彼もある事件をきっかけに変わり始めます。その後はそれほど気に障るキャラクターではなくなっていくので安心して読み進められました。彼の両親は、戻ってきてからの彼の変わりようにきっと驚いたことでしょう……

そんな彼の両親の先進的なところを筆者はかなり批判的に描いているわけですが、今この作品を読むと、ユースチスの両親が実践していたことのいくつかは今当たり前になっているようです。例えば、栄養補強としてサプリメントみたいなのを摂取する、みたいなことが書いてありましたが、これは今では普通だし。ルイスは比較的保守的な人間だったのかなぁと思ってしまいました。

次の作品『銀のいす』でようやくシリーズの折り返しになります。冬休み中にシリーズ読了することはできませんでしたが、映画公開までに全部読めるかなぁ。


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2006.01.03

カスピアン王子のつのぶえ / C.S. ルイス

相変わらずアメリカでは映画『ナルニア国物語』が絶好調のようで。今週末の興行成績では『キング・コング』を抑えて1位に返り咲いています。日本でもこうなりますかねぇ。『キング・コング』はアメリカの成績に比べて日本では今ひとつぱっとしないようですが、『ナルニア国物語』はどうなりますか。

とりあえずナルニア国シリーズの1冊目『ライオンと魔女』を読み終わったので、2冊目の『カスピアン王子のつのぶえ』を。こちらも楽しく読めました。やっぱこの年で子供向けを読んでいるということもあり、あっという間に読めてしまいます。「……でした」みたいな敬体表記もすごく新鮮。

カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり (2)ペペンシー兄弟姉妹はまたナルニア国へと呼び戻されます。彼らがいたときよりすでに1000年ほどたったナルニア国。そこで王位継承の争いで命を狙われたカスピアン王子を助けるために一肌脱ぐことになります。あらすじはこんな感じ。

子供向けのファンタジーの姿をとってはいるものの、底になにかメッセージのようなものを感じるのは前作と同じ。アスランの姿が最初、最年少のルーシィしか見えず、その後徐々にほかの3人にも姿が見えてくるようになるところなどは、著者が字面以上のことを伝えようとしているように感じるのですが、うーん、なんだろ。あと、口の利けないナルニア国に属さない熊に襲われたときにルーシィが

もし、いつか、わたしたちのあの世界でよ、人間の心の中がすさんでいって、あのクマのようになっても、うわべが人間のままでいたら、そしたら、ほんとの人間か、けものの人間か、区別がつかないでしょ?

というのもかなり示唆にとんだメッセージのような気がします。ルーシィはいったいいくつなのか気になりもしますが……中学生にはいっていない年だと思うんですが、ずいぶんおませというか大人な発言ですな。

カスピアン王子の一族がいったいどういう人だったのかという説明が最後にありますが、なるほど、前作とのつじつまが合うようになっているのには驚きました。全然気にせず読み進んでいましたが、作者はそこまで考えていたのか~という感じです。

ナルニアの世界が徐々に広がってきていますが、活躍するキャラクターも増えてきています。誰に魅力を感じるかは人それぞれだとは思いますが、個人的には、つい前足をしゃぶってしまうクマとか、気が優しくて力持ち(なんだけどちょっと足りない)巨人(どちらも本の表紙出ています)が印象に残りました。どっちも名前がちゃんとでてこないサブキャラですが。

さて、次は『朝びらき丸 東の海へ』だっ!


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2005.12.31

きょうの猫村さん1 / ほしよりこ

今日の朝日新聞に、スクエニから来月発売される『ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII』の1面広告が出ていました。隣の面には主題歌に採用されているGacktの『REDEMPTION』のこれまた1面全面広告。スクエニ、最近新聞広告に力入りまくりのような気が……それとも大晦日の掲載で広告費安かったのか知らん。みんな新聞こんな日そう読まなさそうだしなぁ。

きょうの猫村さん年末はゆっくりゲームでもやりたいなぁと思いつつ、DVDも見たいし、本も読みたいし、『キング・コング』もみたいしと、時間が足りません。ちまちました時間も有効に使わないともったいないわけですが、そんなときにぴったりの漫画『きょうの猫村さん 1』を読了。

あっというまに読めるので、ちょっと時間が空いたときに読むとよいかも。帰宅途中の電車で読むものがなくなってしまったので、電車の中で読み切れるくらいの量で軽めの、ということでこちらをチョイスしてみました。案の定、下車駅に着くころには読了。

猫の家政婦さんの話で、初めて派遣されたいわくありげな家での奮闘振りを軽いタッチで描いています。少々の毒っ気と軽い笑いがちりばめられたエッセイ風物語というような感じか知らん。予想外だったのは、どちらかというと読みきりで読めるのかなぁと思っていたのですが、なんと「つづく」のように次回が気になる終わり方だったこと。うーん、続刊の『2』が非常に気になります。

派遣先の家には不良少女がいるのですが、これがいまどきこんな不良いないよ~という昔ながらの不良。いわゆるスケバンという感じ。『積木崩し』とかに出てくる80年代の不良少女のイメージがぴったりかなぁ。今ってこういうタイプの学生っているのか知らん。

『きょうの猫村さん』はもともと@NetHomeのユーザー向けのコンテンツだった模様ですが、人気で単行本化されたとか。ということで、漫画の中身がチラッとだけすが、ネットで見ることができます。毎日1日1コマの掲載だったようで、なので「きょうの」猫村さんなんですなぁ。

アマゾンでは宣伝用のポップが見れます~マガジンハウスからの漫画の紹介っぽいパンフの画像もあります。が、パンフは画像が小さくてうちのPCで字が読めませんでした……






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2005.12.25

ライオンと魔女 / C. S. ルイス

うわぁ、先日ちらっと触れたスクエア・エニックスの『キングダム ハーツ2』。これ、中黒いらんのですな……英語だと"Kingdom Hearts"だからてっきり中黒いるんかと。むしろスペース空けるのがいいみたい……そういえば『ファイナルファンタジー』もそうだっけ。スクエニってこういうネーミングなのかしらん。って言うか、社名には中黒はいるのかぁ。細かすぎるか、俺……

『キングダム ハーツ』はスクエニとディズニーが手を組んで作ったゲームな訳ですが、そんなディズニー、アメリカでは『ナルニア国物語』の公開で気を吐いております。すでに興行収益が大ヒットの目安である1億ドルを突破。これで続編製作は確実ですなぁ。日本での公開は3月ということで後数ヶ月待つ必要がありそう。ということで、公開前に原作の『ライオンと魔女』を読んでみることにしました。

ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり(1)お話は、衣装ダンスの向こうで4人兄弟姉妹が見つけたナルニア国を舞台に、悪い魔女との対決を描いたものです。日本語版は岩波少年文庫でてているわけですが、子供向けに訳されていて大人が読むとあっという間に読めてしまいます。内容も展開が速く、また、人間関係もわかりやすいので途中で投げ出すことはあまりないかなと。途中で飽きてしまわなければの話ですが。

あとがきに翻訳者の解説が出ていますが、そこでも触れられているように、キリスト教の影響が非常に強く出ているなぁというのが読了後の感想でした。象徴的なところは自己犠牲を描いているところとか。あと、ライオンの鬣が切られるところは、サムソンが髪を切られるところを髣髴させるかなと。かといって説教臭さはまるでなく、キリスト教の背景がなくても楽しめるものになっています。

子供が4人メインキャラクターとして登場してきますが、うち、二男のエドマンドがねぇ。前半はもう小憎たらしくて小憎たらしくて。このままこの性格で進んでいったらどうしようかと思ってしまいました。ま、さすがに児童書ということもあり、あまりひどい展開にならなかったのでほっとしましたが。確かにこういう子供いますが……

ファンタジー世界ということで、空想上のいろんな人・動物が登場します。ギリシャ神話や北欧神話からの影響なのか、酒の神のバッカスの名前が出てきたり、上半身が人間で下半身が馬のケンタウロスなどが登場したりします。ファンタジーということで、どうしても『指輪物語』と比べてしまうのですが、『ライオンと魔女』を読んだ限りでは、オリジナリティという点では『指輪物語』に劣るかなと。ただ、この後6冊読んだらイメージ変わるかも知れませんが。しかし、サンタクロースが出てきたときはマジ驚きました。それもかなり重要な役だし。

映画の予告編がネットで見られます。映画だとかなり戦闘シーンが見せ所になっているっぽいですが、本の中だとものすごくあっさり書かれているんですよねぇ。この辺は映画が原作のイメージをいい具合に膨らませているんだと期待したいと思います。子供たちが活躍することが本の中でも言及されているんですが、ちょっと物足りなかったし。

冬休み中に後6冊全部読めるかなぁ……


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2005.12.23

営業ものがたり / 西原理恵子

Sonyのネットジューク、NAS-M7HDが気になっております。これ、欲しい機能ほとんどそろっているんですが、一つだけ欠けていて……DLNA機能付きのNASにつながるんですが、NAS内のmp3のシャッフル再生ができない……これさえクリアできていれば買ったのになぁ。後継機に期待したいと思います。

営業ものがたり『DVDでーた』を買いに近所の本屋に行きました。んで、精算中に周りの本棚見ていたら、ん、西原画伯の新刊が出ているみたいです?!一度精算を済ませてしまっていたので、再度並ぶのがちょっと恥ずかしかったので、時間を置いて出なおして買ってきました『営業ものがたり』。帯には「ものがたり3部作」とありますが如何に。

『営業ものがたり』は前半が『上京ものがたり』『女の子ものがたり』の営業攻勢をギャグ漫画タッチで書いたもの。『上京ものがたり』や『女の子ものがたり』と同じものを期待するとえらい目にあいます。後半は前の2作に近い作品が収録されています。3部作とはいうものの、内容的なつながりというよりは、ネタおよびタイトルでのつながりが強いような気が……

確かに表紙がなぁ。先の2作と明らかに違うので内容の違いも予想されるわけですが、『上京ものがたり』『女の子ものがたり』しか知らない人が、「あ、新刊でたんだ」と買うとえらい目にあうかと。わたしゃ前半のギャグ、かなり好きですが……

本の中で、書店の人が、西原さんの本をどこに置いたらいいのか悩む、というところがありますが、それはこっちもどこを探せばいいのかわからない、ということにつながっております。比較的「女性エッセイ」もののところで見つかる確率が高いように感じますです。

『ぼくんち』番外編の「朝日のあたる家」、『ぼくんち』をきちんと全部読んでいない私ですがそれでも十分楽しめる作品になっています。『ぼくんち』年末辺りに全部よんでみるかなぁ……また、帯に"最高傑作"とある「うつくしいのはら」は、西原画伯ならではの作品に仕上がっています。これを読むとやっぱりこの人すごいなぁと思ってしまうわけです。

それにしても前半のギャグネタのところ、色使いがすごいです……






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2005.11.28

Scary! 2 / Edited by Peter Haining

ココログ、気がつけばいろいろ機能改修がすすんでいますな。容量アップにフリー版の提供、Typepad最新版への対応、等々。ベーシックで2Gかぁ。一生かかっても使い切れない気がします……既存ユーザーの機能強化は来年以降になるそうですが、使いたいと思っている機能は入っているのかしらん。プラン別機能対応表を見たんですがいまいちよくわからんです……フリーにあってベーシックにない機能があるのがなんとなーく目に付くのは気のせいですかそうですか……

Scary!機能云々の前にまずは地道に続けないといかんですな。ということで、ようやく読み終わった"Scary! 2"を。こちらは、Koontzの短編が収録されているということで、あまりよく調べずに発作的に購入したものです。ホラー話のアンソロジーでクーンツのほかには有名どころではアン・マキャフリーやブラム・ストーカー、コナン・ドイルの作品も収録されています。「2」ちゅうことで、前作"Scary!"の第二弾となっております。

肝心のクーンツ作品ですが、買ってから、あちゃー、ということになりました。収録されている作品は"Kittens”というものなのですが、これ翻訳出ているんですなぁ、とほほ。『嵐の夜―ストレンジ・ハイウェイズ〈3〉』に収録されている「子猫たち」です。あー、もうちょっと調べてから買うんだった~悔しいのでとりあえず読みました……

収録作品はクーンツの作品含め全部で12。どれも読みやすい英語で書いてあり、かつ短編なので、なんとか読み通せました。長編だと途中でくじけたりするんですが……いくつか紹介すると、最初の作品'Video Nasty'は、いわゆるスナッフフィルムを見ている男の子3人。そのうち見知らぬ子供がいつの間にか一緒に見ていてなぜか詳しい内容を知っている様子……というもの。予想どおりの結末でそれほど怖くはないかなと。表紙の絵はこの作品がもとになっています。しかし、子供がスナッフフィルムをみるというシチュエーションが一番怖かったりします。スナッフフィルムって何、という方は、映画『8mm』を見てみるとわかりますよ~

アン・マキャフリーは'Finders Keepers'という作品が収録されています。表題は「拾ったものは自分のもの」という諺から。タイトルどおり、なくしたものを見つける特殊な才能をもった男の子のお話です。

『吸血鬼ドラキュラ』で有名なブラム・ストーカーは'How 7 Went Mad'という作品が収録されています。7なんかなくなっちゃえばいいのに、とある子供が考えたことから起こった騒動を描いています。作品が若干古いせいか、少々読みづらかった記憶があります。あと、吸血鬼のイメージが強かったので、ほのぼの感あるこの作品にちょっと違和感を覚えました(うーん、ほんとはほのぼのしていないのかも。自分の読解力に自信なし……)。

コナン・ドイルの「サセックスの吸血鬼」も収録しています。これは小学生くらいの時に呼んだ記憶があったので、記憶をなぞるように読みました。英語が若干古めでこれまた読みづらかったような……ただ、内容を知っていたのでそれで多少は読みやすくはなりましたが。確かにホラー色のあるミステリなので収録されていても違和感はそれほどないですが、ほかの作品でもよかったんではないかなぁ。

ほかに印象に残ったものとしてはRober Swindellsの'Cloud Cover'。クリスマスまであと2週間だというのに気分が晴れない主人公。それは母親が病気のため。そんな少女が店先で見つけた絵、それは日に日に内容が変わってゆくものだった……ってな感じで話は始まります。何が印象に残ったかというと落ちですな。自分の予想とはまったく反対の方向に行ってしまったのでそれがものすごく印象に残りました。どうもこの作品、翻訳がでているみたいですな。『ミステリアス・クリスマス』に収録されている「暗い雲におおわれて」がどうもそれくさいです(実際に手にとって見たわけではないので違うかも)。

Alison Princeの'The Black Dress'もなかなか面白かった作品でした。黒いドレスを買った主人公は友達に見せに行く途中、見知らぬ老人に出会う。彼はドレスをほめてくれた。不思議なことになぜか彼は彼女の名前を知っていた……てな感じです。これ、怖いというよりわたしゃほろりとしてしまいましたよ。ああ、涙腺ゆるくなっているなぁ……こちらは翻訳版はないようです。

英語の勉強をと割り切って読んだわけですが、各作品の冒頭に簡単なあらすじが書いてあるのでそれも読み取りの助けになりなんとか読了できた感があります。怖い話がそれほど嫌いでなければ、洋書を読む練習用にいいかも知れません。


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2005.09.22

本の雑誌10月号

映画ネタやらCDネタやら準備していたのに、書きやすそうなネタを見つけてしまったのでそちらをまずは。『本の雑誌』10月号で「がんばれ、翻訳ミステリー」と銘打った巻頭特集が組まれています。最近はまとまった時間がなかなか取れないので翻訳ミステリってあんまり読んでいないんですが(だって読むのに時間がかかるんだもんなぁ。一気にどうせなら読みたいし)、もうちょっとメジャーになってほしいなぁと日ごろ思っていたのでつい反応してしまいました。

確かにとっつきにくいのは事実ですな、翻訳ミステリー。人の名前が覚えにくい、というのを挙げられている人がいましたがこれは確かにそうかも。私も読書中に頭のほうにある登場人物一覧を参照しながら読み進めることが多いです、はい。この登場人物一覧、便利ではあるんですが、ほんのちょっぴりネタばれ的な要素が……主要人物が当然一覧にでてくる対象。ということでリストにあってなかなか出てこない人がいると、この人はまだ出てこないのか~と変に気になってしまうことが。あと、どういう人物かの軽い説明もあるので、登場したときの意外性がほんのちょっぴり削がれる気が……でもやっぱりないと困ることが多いですな。

あとは、うーん、海外の事情、たとえば裁判制度などがよくわからなくてその辺でつっかかってしまうと読み進めるのが苦痛、というのがあります。内容が面白いとその辺気にならなくなるのですが、初めて読む人にはこの辺の敷居は結構高いかと。

あとは文体かなぁ。私はあんまり気にならない方なんですが、会話が不自然とか感じる人は中にはいるんでしょうなぁ。私の場合はむしろ本よりネットの翻訳記事がものによっては読むのがつらいときがあります。日本語として間違っているところはないのですが、どうも何かかが引っかかることがたまにあります。

黒い薔薇とっつきににくい理由は多々あるかと思いますが、内容がそれを凌ぐ、というかとっつきにくい理由を取っ払ってくれるくらい面白いものがあるのも事実です。ぱっと思いつくのはフィリップ・マーゴリンの『黒い薔薇』ですなぁ。全米でベストセラーになったというのが手に取ったきっかけだったんですが、いや~読み始めたらとまりませんでした。二転三転する展開でぐいぐい引き込まれました。勘のいい人は後半で、この人犯人くさいと気がつくかもしれませんが、それでも十分楽しめるかと。興味があればぜひ。

どれが面白いかわからない、というのも翻訳ものに手を出すのを躊躇させる理由かも。あんまり書評とかで紹介されていないような気がしないでもないし、口コミの絶対量が少ないようにも思うし。私も最初はどれが面白いのかさっぱりわからん状態だったのですが、とりあえずミーハー路線の基本として海外のベストセラーリストを参考にしました。その中から面白いものを見つけていく、といった感じですな。上の『黒い薔薇』もそうやって見つけました。

ベストセラーリストのメジャーどころはやっぱりThe New York Times Book Reviewのベストセラーリストですな。アメリカのベストセラーが一目でわかります。オンラインでも見られますが無料のユーザー登録が必要です。9月25日版ではクライブ・カッスラーなど名前が見られます。あとは、専門書になりますがPublishers Weeklyのベストセラーリストがあります。こちらもアメリカのものです。確か紀伊国屋の洋書売り場に張ってあるベストセラーリストってこれじゃなかったかなぁ(自信なし)。両者の詳しい集計対象まではちょっとわからんのですが、ほぼ一致するランキングだったかと。

気になる本があったら翻訳が出ているかチェック!アマゾンで英語の著者名をそのまま入れて検索すれば、翻訳書が出ているかどうかすぐにわかります。往々にして、現地でベストセラーになっているものは、まだ翻訳されていないことが多いです、残念ながら。なので、なかった場合は同じ著者ですでに翻訳がでているものがないかチェックしてみて、あればそれを読んでみるというのも一つの手かと。根気よく翻訳がでるまで待ってもいいのですが、最悪の場合翻訳がでないことも……

ハリー・ポッターシリーズや『ダ・ヴィンチ・コード』が売れていることを考えると、翻訳ものもまだまだいける余地があるかもなぁ。嗚呼、いつかは超訳ではないハードカバーでクーンツの作品を読みたいなぁ。文春さんか講談社さん、出してくれないか知らん。


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2005.05.15

女の子ものがたり / 西原理恵子

この前『上京ものがたり』の記事を投稿したとき、どうも「西原理恵子」としなくてはいけないところを「西原恵理子」としてしまったようです(がっくり)。すぐに気がついて直したんですが、googleにキャッシュされたらしく、「西原恵理子」で検索するとヒットします……今度は注意しないと。

女の子ものがたり女の子ものがたり』は『上京ものがたり』の前段となる作品です。『上京ものがたり』では、四苦八苦しながらもたくましく生きていく主人公が描かれていましたが、『女の子ものがたり』では、東京に出てくるまでの彼女が描かれています。どっちから読み始めても混乱することなく読めるかと。

今作もやはり笑いよりもシリアスな面が強い作品になっているかなと。男性の読者だとちょっと理解しにくいところもあり、女性の間柄ってこういう感じなのか知らん、と思うところもありました(11話などがそう)。シンナーの話が後半にでてきますが、そういえば昔はドラッグなんて言葉もなくて、身近な不法ドラッグといえばシンナーだったよなぁと思い起こしてしまいました。プラモデルって最近の子はつくらないのかなぁ、あの接着剤みたいなにおいがするらしいです。

『毎日かあさん』で西原理恵子に出会った人からすると結構びっくりな内容かもしれません。これも彼女の一面でこれなくしてはあのギャグはなかったかと。『毎日かあさん』だけでなく、こういった作品も是非是非手にとって見てくださ~い。


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2005.04.03

毎日かあさん2 お入学編 / 西原理恵子

うぉ~さっき投稿したらエラーが!!また0から書かなきゃいけないのか~!と気持ちが一瞬萎えましたが、サイトを確認したところ、何事もなかったかのように記事が反映されていました。よかった~!最近、夜になるとログインに時間がかかったりと、若干システムの不安定さを想起させるようなことがありますが、そろそろ大規模メンテとかあるのか知らん。

毎日かあさん2 お入学編『毎日かあさん』の最新刊が出たというので早速手にしました。今回は『お入学編』ということで、長男が小学生に上がっております。内容はこれまでどおり漫画日記風エッセイで、子育て中心のエピソードが満載です。巻末にはなぜか石原都知事との対談が……謎だ……ひょっとして少子化対策としてセッティングされたのか知らん。

いろんなお話が載っていますが、印象に残るのは、西原さんと同じように腕白盛りの男の子をもつ母親同士の会話。男の子を持っている親と女の子を持っている親って子育ての苦労の形が違うんですなぁ。女の子だと親が心配するような大怪我が起こるような遊びはまずしないだろうし、それに母親からすれば、同姓である女の子は自分の同じころを振り返ればなんとなくすべてが理解できるだろうけど、男の子はねぇ……

本にもありましたら、自分も同じように近所の子と泥だらけになって遊んだ記憶があります。あれ、母親から見ると、迷惑以外の何者でもないんですなぁ。確かに女の子だったらあんなことは普通ないもんなぁ。あるエピソードの中に「女の子だったら子供同伴で喫茶店にもいけるみたいなのよ」という箇所には爆笑しました。男の子だったら絶対周りの迷惑になるような騒ぎ方をしてしかる羽目になるだろうしなぁ。

妹は兄貴と比べるとその辺やっぱりしっかりしていて。女の子の方が何かと早熟なんですかねぇ。本を読んで感じたのは、幼いころはやっぱり女の子の方が男の子よりもはるかに大人びているんだなぁということ。男の子ってほんと小学生低学年くらいのときってバカばっかやっているような気が。それもまたいい経験ではあるんですが、親からすれば無用な怪我はするわ服はめちゃめちゃに汚してくるわ、となるんでしょうか……


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